ネコにもわかるトランプ関税と日本への影響

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関税ってなに?

図:アメリカが外国から輸入した青りんごのイラスト
関税(かんぜい)とは、外国(がいこく)から輸入(ゆにゅう)される品物(しなもの)にかけられる税金のことです。たとえばアメリカが外国からりんごを買うとき、国はそのりんごに税金をつけることがあります。関税を高くすると輸入品の値段が上がり、より売れにくくなります。

税金をかける理由は大きく2つあります。一つは、国のお金(財源)を増やすこと、もう一つは自分の国の会社や働く人の仕事を守ることです。たとえば、トランプ政権ではアメリカの車や鉄鋼(てっこう)産業を守りたかったので、自動車や鉄鋼に高い関税がかけられました。

図:貨物船で運ばれた荷物を税関が調べている様子
輸入された品物は「税関(ぜいかん)」という役所(やくしょ)が調べ、関税を集めます。関税は外国から入ってきた商品にかかる税金なので、税関の人は荷物を検査(けんさ)して税金が払われているかを確かめます。

トランプさんが関税をかけた理由

トランプ前大統領は「アメリカ第一主義」という考えで、自国の仕事や産業(さんぎょう)を守りたかったのです。アメリカが外国との貿易(ぼうえき)で大きな赤字(あかじ:売るより買うほうが多い状態)になっていると考え、他国の不公平(ふこうへい)なルールでアメリカの仕事が奪(うば)われていると思いました。そこで、「貿易赤字を減らすために特定の輸入品に関税をかける」という計画(通商政策)をまとめました。

実際(じっさい)、トランプさんは4月に新しい関税の計画を発表しました。その内容では、まずほとんどの国からの輸入品に10%の関税をかけ、そのうえで日本からの輸入品には24%の関税をかけると決めました。高い関税をかけることで、アメリカ国内の工場や農家(のうか)の産物が安くなるようにして、アメリカの雇用(こよう)を守ろうとしたのです。

日本への影響

日本からアメリカへ送られるものの中で、車(じどうしゃ)とその部品はとても多くを占めていました。ある分析によると、2024年に日本の対米輸出(たいべいゆしゅつ)の3分の1以上(34.1%)が車と部品だったそうです。トランプさんは4月3日からこれらに25%の追加関税をかけました。そのため、日本の自動車メーカーや部品工場には大きな影響が出る可能性があります。

一方、鉄(てつ)やアルミニウムの輸出(ゆしゅつ)は日本全体では少ないので、これらに税金がかかっても日本経済全体への影響は小さいといわれています。野村総合研究所によれば、2024年の日本の対米輸出で鉄は約3,027億円、アルミは約246億円しかなく、全体の0.12%にすぎません。つまり、たとえ鉄やアルミに関税が上乗せされても、日本の経済へのダメージはそれほど大きくならないと考えられています。

参考文献

朝日小学生新聞「〖関税とは?〗小学生は教科書でこう習う トランプ大統領が『相互関税』を発表」asahi.comasahi.com

朝日小学生新聞「関税が武器!『貿易戦争』、子どもに聞かれて説明できる?」asahi.com

朝日新聞EduA(教育ポータル)一色清「トランプ関税で大ショック → 関税って何?」asahi.comasahi.com

ジェトロ(日本貿易振興機構)「トランプ米政権、『米国第一の通商政策』報告書の要約発表」jetro.go.jpjetro.go.jp

帝国データバンク「トランプ関税が日本経済に与える影響」tdb.co.jp

野村総合研究所「トランプ政権が鉄鋼・アルミ関税導入へ:日本への影響は?」nri.com

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